『高付加価値企業と高付加価値商品』

高付加価値商品を追求する企業

 高付加価値製品とは、確かに一面では「他社の追従を許さない、収益性の高い商品」であるため、「今後の日本経済の発展の核として産業構造の高度化を主導していく産業」として、どの企業も、真剣に取り組まれる課題である。ただ注目すべき点は、大手企業に限らず、中小企業においても、特色ある企業を挙げることができる。
 いずれにせよ、製造業のみならず、流通業においても、いかに高い付加価値の商品を開発し、販売するかが、重要な課題となる。

高付加価値商品とは

 高付加価値商品とは、創造的かつ独自な商品と言うことである。他の企業の追従を許さない商品の企画、生産、販売にある。高付加価値商品は、「収益性の高い商品」として理解されている。留意すべき点は、付加価値(付加価値=売上−変動費)を高めるためには、従来の変動費の枠内で、売上げを伸ばす商品を開発するか、変動費を抑制した状態で、売上げを伸ばすことである。そこで製造業としては、市場に需要な喚起する体制で、高付加価値の製品開発に努力が傾注される。なお、高付加価値商品は、
@「高」、A「付加」、B「価値」、C「商品」の4側面から検討される。
 究極的には、4側面の「総合性」が問われる。
 @「高」は、高い収益性、高い売上高、高い販売高、高い商品回転率、場合によっては、高い材質、高い加工技術などである。つまり一般の水準より高い、という評価である。
 A「付加」は、単なる加算ではなく、付加による「質的変化」である。つまり特性や属性の付加により、製品本体に、平均以上の性能、効果が期待される。
 B「価値」は、たとえば、所有、使用、摂取など、購入した商品から、物理的価値、心理的価値、記号的価値の3つの価値が充足されることである。
 C「商品」は、コストの割に、「魅力的な商品」であり、「効能の高い」「使いやすい」「所有しやすい」「摂取しやすい」商品である。
 他に、「特定の記念日に、限定生産して、特定の地域にのみ販売する」「多くの種類の商品を企画、販売する」「高品質の(または他社にない)材料を使用した高級製品を製造する」「高度な加工技術が、活用されて製造する」「多くの優れた部品から構成された精巧なシステム製品である」「製品を所有することにより、特別のサービス、情報が得られる」「デザインが、魅力的である」「材料、原料が、通常の性質以上の特徴をもっている」なども重視されるが、基本は高品質の「素材」「部品」の活用が、高付加価値商品の開発の前提となる。そこで高度な加工技術によって加工された素材、部品が、商品にユニークな特性を付加させることになる。