PDFの2ページを1ページにまとめるソフト

はじめに

　これはPDFファイルの中のページを、2ページまとめて1ページに変換する プログラムです。年賀状を両面スキャンしたものを一度に表も裏も見えるよう にした方が見易いと思ったのが作成の動機です。もちろんPDFの表示ソフトに よっては、そのような見開き表示ができるものもありますが。

ダウンロードとインストール

　次のリンクをクリックしてダウンロードしてください。解凍するといく つかのファイルが出てきますが、ソフトの本体である「PDF2on1.jar」だけが 実行に必要で、残りは説明やソースコードです。設定を保存すると 「PDF2on1.jar」のあるフォルダーに「PDF2on1.ini」と言う設定ファイルが作 成されます。書き込む権限がないようなところに本体を入れると、設定ファイ ルが書き込めなくなるのでご注意ください。(まぁ、保存するほどの設定はな いのですが)

　不要になった場合は、解凍して出てきたファイルと設定ファイルを削除 すれば終わりです。レジストリなどは使用していません。

使用の際に必要な環境

　Javaで作られていますので、「PDF2on1.jar」と言うファイルをダブルク リックすると起動します。ただパソコンにJRE (Java Runtime Environment)が インストールされている必要があります。多分、ここからダウ ンロードしてインストールできると思います。約100MBぐらいになりますので、ネッ トワーク接続環境によっては大変かもしれません。ダブルクリックして即利用 できた方は、一度「C:\Program Files\Java」を開いてみる事をお勧めします。 「jre1.6.0_18」のような名前のフォルダーがもしかするとたくさんあるかも しれません。私の家のパソコンなどは10以上もありました。古いものはこの際 消してしまいましょう。多分「jre6」と言うのはQuickTimeが入れたものなの で触らない方が良いでしょうが。

使用方法

　起動すると次のようなWindowが出てきます。

　一番簡単な使い方は、PDFファイルのアイコンをドラッグして、「ファイ ルを開く」ボタンの上でドロップする方法です。変換した結果は設定のよって 変わりますが、上記の場合は元のファイルがあったフォルダーに「trans」と 言うフォルダーが作られて、その中に元のPDFファイルと同じ名前で保存され ます。

　ドラッグなんて野蛮なやり方は好まない方は、「ファイルを開く」ボタ ンをクリックして、元になるPDFファイルを開いてください。

合体方法に関する設定

　まず2つのページをどのように合体させるかを選択する事ができます。

• 「自動」にすると、元のPDFファイルの最初のページの幅と高さを調べて、 幅が高さより大きい場合は上下に、高さが幅より大きい場合は左右に合体しま す。その結果変換後のPDFファイルのページの形状はより正方形に近づきます。
• 「左右」にすると、奇数番目のページを左に、偶数番目のページを右にし て合体します。
• 「右左」にすると、奇数番目のページを右に、偶数番目のページを左に して合体します。
• 「上下」にすると、奇数番目のページを上に、偶数番目のページを下にし て合体します。
• 「下上」にすると、奇数番目のページを下に、偶数番目のページを上にし て合体します。
• 「先頭ページ独立」にすると、最初のページだけ独立させる事ができます。 通常は1ページ目と2ページ目が合体するのですが、これにすると、1ページ目は そのまま、2ページ目と3ページ目が合体すると言う感じになります。この機能は 小冊子を表紙付きでスキャンした場合に使えるかな？と思い追加しました。
• 「枠を付ける」にすると、各ページの外側に黒い線が付きます。白い葉書 を合体したらなんか表と裏が一緒になってしまうので、この機能を追加しまし た。
• 「中間の空きの幅」に適当な数値を入れると、2つのページの間に隙間が 入るようになります。隙間が不要な方はゼロを入れてください。マイナスの数 値を入れると2つのページが重なります。数値以外を入れるとどうなるか？実 はチェックに関しては大変手抜きのソフトのなので、変な入力をしたらとんで もない事が起こるかもしれません。

保存に関する設定

　色々設定があります。どうせ数回しか使わないソフトなのにやり過ぎと 感じています。

1. 「保存先確認」にすると、必ず保存するファイル名を尋ねるダイアログが 出るようになります。
2. 「保存先フォルダ」が空欄で無い場合は、元のPDFファイルがあったフォ ルダにここで指定した名前のフォルダが作られてその中に変換結果が保存され るようになります。ここが空欄の場合は、元のPDFファイルがあったところに 保存されます。
3. 元ファイルと同じ名前で保存しようとしますが、もし同名のファイルが既 にあった場合は、ファイル名に「2」を追加した名前で保存しようとします。 それでも同じ名前のファイルがあった場合は、さらに「2」を追加した名前で 試みます。

コマンドラインによる使用方法

　わざわざバッチファイルを作成する人は居ないと思いますが、コマンドライン で使用することも可能です。

   C:\>PDF2on1.jar 元ファイル名

　元ファイルをドラッグ＆ドロップしたのと同じ結果になります。

   C:\>PDF2on1.jar 元ファイル名 先ファイル名

　変換した結果を指定したファイル名で保存します。

ソースコードについて

　PDF2on1の肝心な部分は全てiTextライブラリによっています。このライブラリは無料 版と有料版があり、無料版には「GNU Affero General Public License ver.3」 と言うしばりがあります。ソースを付けて、他の人が改変しても怒らなければ 良いのだろう、と適当に解釈しています。という事で、上の方にありましたダ ウンロードにはソースファイルなどが入っています。

• PDF2on1.jar : これがプログラムの本体です。99%はiTextのライブラリ (ver. 7.0.8)です。
• PDF2on1.java : 私が書いたソースコードです。実はJavaでまとも？なプ ログラムを書いたのはこれが初めてです。数え切れないほどのWebページを参 考にして、良くわからないからstaticしたりして作ったものですので、悪い見 本や、お笑いのネタにしてください。GPLはヘボプログラマを笑いものにする ためのライセンスかもしれません。
• Manifest.txt : Javaのコンパイルした結果やライブラリをjar形式でまと めた際に、エントリーポイントとなるクラスやライブラリの指定をするための ファイルです。
• m.bat : jar形式でまとめるためのバッチファイルです。
• jcpad.ini : CPadの設定ファイルです。久しぶりにCPadを使用したら、設 定の仕方をすっかり忘れていました。メモ帳などで開いて設定の仕方の参考に してください。

　開発環境としてこれを機会にEclipseの勉強もしようと思ったのですが、 SDKとセットで500MB以上とかだったので、あっさり次の機会にしました。代わ りに きときと氏製「CPad for Java2 SDK ver. 2.31」を使用しました。まぁファ イルが一つしかないレベルならばこれで十分だと思います。

改訂版(ver.1.11)の違い

　2011年1月に公開して以来、PDF2on1は多数の方々にご利用いただいたよ うですが、最近「右左」もできるようにして欲しいと言うメールを頂きました。 そこで改訂することにしましたが、最近Javaはやっていなかったので、開発環 境の更新など(Eclipseも入れたけど結局使わなかった。)に時間を取られまし た。

1. 横に並べる際に左右と右左が選択できるようにしました。縦に並べる際も 上下と下上が選択できるようにしました。
2. iTextのライブラリをver. 5.0.5からver. 7.0.8に変更しました。クラス 名等が随分変わっていてびっくりしました。
3. ver.1.10はコンパイルの際に--release 8が付いていなかったので、通常 のJavaランタイムでは実行できなかったので付けるようにしました。